参考資料 : アメリカの特別支援教育

アメリカでは、障害を持った子供が特別支援教育を受ける資格があります。 特別支援教育は、障害を持った子供のニーズを認識し、学習面や生活面での困難を少しずつ改善し、それぞれの子供が持つ力を発揮するための教育です。 0~3歳の子供は、特別支援を受けるために個別家族サービスプランが必要になり、3歳以上の子供には個人指導計画が必要です。

個別家族サービスプラン Individual Family Service Plan; IFSP(0~3歳)

個別家族サービスプランは、障害を持った0~3歳の子供のための指導計画です。 個別家族サービスプランには、現在の子供の発達レベル、子供の発達目標、目標達成のために必要とされるサービスなどが書かれています。 幼い子供を対象にしているため、個人指導計画に比べ、家族を中心としたサービスプランが特徴です。

個別家族サービスプランを受ける条件は、下記の通りです。

  • ダウン症、脆弱性X症候群、胎児性アルコール症候群、脳損傷など重度の障害がある
  • 低出生体重児、未熟児
  • 貧困、ホームレス、保護者による薬物乱用、虐待、育児放棄など育児環境に問題がある

個別家族サービスプランの主な流れ

1. リファーラル
子供に発達遅延の兆候が見られたら、病院、学校、もしくは福祉サービスなどにリファーラルをして、個別家族サービスプランを受ける資格があるかどうかを確認することができます。 通常、リファーラルをするのは、子供に障害があることを懸念する保護者、医師、教員、社会福祉サービススタッフなどです。 リファーラルが受理されると、個別家族サービスプランを管理するサービスコーディネーターが決められます。サービスコーディネーターは、家族に連絡し、子供に関する情報を収集します。 また個別家族サービスプランについての説明をし、IFSPのプロセスを進行するために、保護者から事前の承諾を得ます。
2. サービス受給条件の確認
サービスコーディネーターが子供の病歴や発達に関する情報を集めます。 この時点で、ダウン症など受給条件を満たす障害を持つ子供であれば、自動的に個別家族サービスプランを受ける資格があります。 まだ障害が認定されていない場合は、診断を行います。 この段階で個別家族サービスプランを受ける資格がないとわかった場合、サービスコーディネーターが他のサービスを紹介します。
3. 個別家族サービスプランの作成
サービス受給条件を確認の上、個別家族サービスプランを受ける資格があると認められた場合、個別家族サービスプランの作成に移ります。 この段階で、家族の懸念点や希望をもとに発達目標を立て、子供にとって必要なサービスを決定します。
4. 個別家族サービスの評価、見直し
その後、子供が発達目標に到達しているか、必要なサービスが提供されているかなどを定期的に確認し、必要であれば個別家族サービスプランの調整を行います。 IFSPを受けている子供は、3歳以上になるとIEPを受けるようになることが多いようです。